Home

一夜一話

「けものがれ、俺らの猿と」  監督:須永秀明

0トップ4  何だこりゃ! 難解! 意味不明な・・・、こういう映画、嫌いじゃないから観ます。

  その場その場のシーンはみせてくれますが、もう少しレイヤーを上げて欲しいな。
  小松方正にはもう一味やって欲しいところだ。
  例えば温泉街の四つ角で、あちこちから楽団やらが行列を組んで集団でやってくるシーンが印象に残ります。
  不条理コメディなんて言ってるが、そもそも毎日の現実は、不条理のカケラでできている。わかんない内に観終えてしまいます。



監督:須永秀明|2001年|107分||
原作:町田康|脚色:木田紀生、久保直樹|撮影:北信康|
出演:永瀬正敏 (佐志)|小松方正 (楮山)|車だん吉 (義父)|鳥肌実 (田島)|降谷建志 (青年)|ムッシュかまやつ|松重豊|石堂夏央|手塚とおる|鮎貝健|中山マリ|山本ふじこ|立川志らく|奏谷ひろみ|濱本康輔|阿部能丸|IKKAN|森下能幸|仁科|蒲生純一|ゴリ|


洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ





映画「記憶の棘」   監督:ジョナサン・グレイザー 主演:ニコール・キッドマン

少年

  スリリングでサスペンスな展開。すなおな映画です。

会う  「自分はショーンだ」
  10年前に死んだ夫ショーンが、少年の姿で未亡人アナの前に現れる。アナ(ニコール・キッドマン)
  続けて少年は言った。「再婚はやめろ」
  ショーンを愛したアナは再婚の気は無かった。しかしジョゼフの執拗な誘いに負けて再婚する事になっていた。
  少年の出現は周囲を驚かせた。生まれかわりという超自然現象を信じる者はいなかったが、違うという証明は必要だった。徐々に分かることは、アナとショーンの2人しか知らないことを知っている・・・。アナは親族を押し切って、少年ショーンと生きることを密かに考え始めた。「10年経てば、あなたは21歳ね。その時結婚しましょう・・・」

nyセントラルパーク  そして映画はクララを登場させる。
  生前の、ショーンの親友クリフォードの嫁はんである。クララは少年に密会し言う。「あんたはショーンじゃない」 生前のショーンが愛した私に、なぜ最初に会いに来なかったの?
  落ち込み うな垂れる少年は、バスルームでアナにつぶやく。「自分はショーンじゃない・・・」
  驚くアナ。わけはひとことも言わない少年。


  さてさて話はどっちに向かっていくのか・・・・。お楽しみ。 
  
アナ原題:BIRTH|
監督:ジョナサン・グレイザー|アメリカ|2004年|100分|
脚本:ジャン=クロード・カリエール、ミロ・アディカ、ジョナサン・グレイザー|
撮影監督:ハリス・サヴィテス|
出演:ニコール・キッドマン (アナ)|キャメロン・ブライト (ショーン少年)|
ダニー・ヒューストン (新しい恋人・ジョゼフ)|ローレン・バコール (アナの母・エレノア)|アリソン・エリオット (アナの姉・ローラ)|アーリス・ハワード (ローラの夫・ボブ)|ピーター・ストーメア (生前のショーンの親友・クリフォード)|アン・ヘッシュ (クリフォードの妻・クララ)|テッド・レヴィン (少年の実父・コンテ)|カーラ・セイモア (少年の実母・コンテ夫人)|ミロ・アディカ (ジミー)|

洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

映画 「アトムの足音が聞こえる」  音響デザイナー:大野松雄

トップ

  ドキュメンタリー映画の主人公は大野松雄。日本最初の音響デザイナー。
  鉄腕アトムの歩く音、あの独特の音、ピュコピュコや飛ぶ音なんかをデザインしたことで有名。

<音響デザインって?>
  音を出発点に、メロディーやハーモニー、リズムに向かえば音楽だ。
  一方、音楽への方向じゃなく「物音」に関心が進めば、楽器以外の音響で、映像や空間に働きかけて何かを表現しようというデザインの仕事になる。例えば、スカイツリーに対する照明デザインに近いじゃないかな。

<大野松雄のスタート>
ライブ  大野松雄は舞台演劇の効果音に飽き足らなかった。今までに無い世界を模索していた。そして電子音楽のカールハインツ・シュトックハウゼンに出会う。
  「血液 止血のしくみ」(1962年)という教育映像が最初の仕事だった。顕微鏡映像で、血小板が踊っている。彼はこの映像に「音楽」ではなく「音」をつけた。黎明期の前衛的な電子音楽(現代音楽)の領域から大きな影響を受けた結果が実る。この映画、教育の場面以外に映像芸術として当時観られたそうです。
  今ならシンセサイザーで効果音を作るところだが、当時のシンセは真空管をたくさん使ったとても高価なものだった。手が届かない。
  そこで、アナログ録音したテープを切り貼りしたり、エフェクトをかけながらテープの回る速度数を変えたり、逆回転させたり再生したり。オープンリールのテープデッキを複数台駆使して音をつくった。そもそも、黎明期の電子音楽も録音テープを使っていた。

<鉄腕アトムは金属製か>
  次の仕事が、テレビ放映の準備を始めたアニメ「鉄腕アトム」だった。
  テレビ局のプロディーサーが手塚治虫に紹介した。大野と手塚は意気投合したらしい。また白熱した議論も多かったらしい。
  アトムの足音、あのリバーブのかかったピュコピュコした音を作り出す。
  大野の発想はアトムの足は樹脂製と考えたらしい、そして思いついた音がピュコピュコとなった。
  効果音の開発に熱中して満足すると、大野はアトムに飽きる。飛ぶ音、着地する音、墜落する音、お茶の水博士が慌てる時の音などなど、一通りの音を作ってしまえば、記号化される。後は当てはめるだけだ。アシスタント任せだったらしい。

発表会<アニメ以後>
  その後、彼は障がい者を扱うドキュメンタリー映画に携わることになる。そして現在は障がい者の施設で働いている。
  本作「アトムの足音が聞こえる」では、ラストに最近おこなわれた大野のライブコンサートが収録されている。

<映画に登場する大野の作品リスト>
  「血液 止血のしくみ」1962年
  「鉄腕アトム」1963年〜 
  「夜明け前の子どもたち」1968年
  「土くれ 木内克の芸術」1972年
  「光の中に子供たちがいる 三部作」1974-1977年
  「あざみ寮もみじ寮 今日もみんな元気です」1975年
  「飛鳥を造る 法輪寺三重塔といかるが寺の工たち」1976年
  「あそびの中にみる子どもたち」1996年
 (映像では紹介されないが、アニメにおいてはルパン三世の初期や宇宙戦艦ヤマトなどにもかかわった)

オープンリールアンサンブル<オープンリール・アンサンブルが面白い>
  この映画で出てくる音楽グループ。大野のライブで共演している。テープデッキをコンピュータに制御させての音楽。いい感じ。大野に録音テープのノウハウを伝授してもらっているのが印象的だった。

  オープンリールとは?・・・・・ウィキペディアへ

大野  監督:冨永昌敬|2010年|82分|東風|
  企画:坂本雅司|
  登場する方々:大野松雄|柴崎憲治|竹内一喜|大和定次|杉山正美|高橋巖|柏原満|桜井勝美|田代敦巳|町田圭子|小谷映一|ひのきしんじ|松田昭彦|OpenReelEnsemble|齋藤昭|涌井康貴|村上浩|由良泰人|レイ・ハラカミ|金森祥之





洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

映画「めぐりあい」  監督:恩地日出夫   主演:酒井和歌子

江の島 磯

江の島  酒井和歌子の初主演作。
  こういう表情ができるのだから、みんな映画館に観に行ったのでしょう。
  江の島。白い水着が眩しい。
  この映画の甘い主題歌を聞いてほしい。今の耳でもそんなに悪くない。武満徹作曲、当時のソングライター荒木一郎・作詞。  
  http://blogs.yahoo.co.jp/music1960_70/54501277.html


駅プラットホーム  ま、この映画、酒井和歌子を除くと何も残らない。
  それでもあえて言えば、電子化する前、川崎の工業がまだ解りやすかった時代が印象的だ。
  写真はJR川崎駅の南武線プラットホーム。茶色い電車。
  朝の出勤時ラッシュアワー、川崎駅の改札を出て大勢が階段を下りる。今井(酒井和歌子)は卸の金井ベアリング商会の店員、江藤(黒沢年雄)はオリエンタル自動車の組立ラインの従業員。2社とも駅から徒歩で行ける。オリエンタル自動車の社員食堂が悲しい。メニューはひとつ、選択肢は無い。ベルトコンベアーにのって次々に出てくる。お皿のプレートに乗っている おかずのひとつがヒジキだが、ほかのおかずに比べ量がある。「でも大企業ね」と街の商店勤めの今井(酒井和歌子)は羨ましい。のちに彼女は転職し、横浜市戸塚のドリームランドという遊園地に勤める。

家の前  今井(酒井和歌子)の自宅はこの家の裏だ。
  母(森光子)と弟の三人家族。弟は友達数人を集めてフォークギター。歌声喫茶からフォーク/ロックへの過渡期の時代。

  黒沢のおどけた演技が胸に痛い。こんな演出に誰がした?


原題:Two Hearts in the Rain|
監督:恩地日出夫|1968年|91分|東宝|
脚本:山田信夫、恩地日出夫|撮影:田島文雄|音楽:武満徹|
主題歌 “めぐりあい” ビクター・レコード
      作詞:荒木一郎/作曲:武満徹 唄:荒木一郎

向き合う出演:黒沢年雄 (江藤努)|酒井和歌子 (今井典子)|
桑山正一 (父・定年で失職・江藤順平)|菅井きん (母・江藤きよ)|黒沢博 (弟・大学進学したいが・・・江藤宏)|工藤富子 (妹・江藤友子)|
森光子 (母・今井雅枝)|池田秀一 (弟・今井一郎)|有島一郎 (叔父・今井正治)|
進千賀子 (ミス・オリエンタル自動車・工場管理部門・石川綾子)|田村亮 (石川綾子の恋人・白井)|当銀長太郎 (佐々木)|木波茂 (松本)|木下陽夫 (吉田)|赤木春恵 (おばさん)|川辺久造 (部長)|丸山謙一郎 (関口)|峰岸徹 (井上)|佐田豊 (渡辺)|柴田昌宏 (自動車修理工場の従業員・この男から江の島行のダンプトラックを借りた・前田)|佐川亜梨 (前田の女友だち)|深井聰子 (青線の女)|宮田芳子 (青線の女B)|大木小枝子 (青線の女C)|若宮忠三郎 (ベアリング店社長)|小川安三 (月賦屋)|浦山珠実 (売店の女)|勝部義夫 (バーテン)


洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

映画「フロスト×ニクソン」  監督: ロン・ハワード

トップ22

  エンターテイメントな映画です。
  事実をもとにした政治スキャンダルの話ですが、ウォーターゲート事件について、知らなくても楽しめます。

発想  アメリカの元大統領ニクソンと、お笑い出身の人気TV司会者フロストの、ふたりのトークショー・バトルが話の中心。
  自身が引き起こしたウォーターゲート事件によって、大統領を辞任した後に行われた収録。この収録に至るまでには、トークショーを企画したフロスト側と、承諾した元大統領サイドとの、事前のつばぜり合いや探り合いが丁々発止とあり、映画は緊張感を高める。
  フロスト側は前代未聞の視聴率をたたき出すインタビューを狙う。つまりインタビュー中にニクソンの口から、新しい真実や罪の告白を引き出そうとしている。ウォーターゲート事件に詳しいブレーンを雇った。
  一方ニクソン側は、一直線に名誉回復・政治家復帰アピールを強く狙う。ニクソン信奉者が作戦を練る。お笑いタレントだろ? 選挙にすら行った事ない男フロストなんて所詮相手にならない。

戦略  フロストが心を砕いた事は三つ。出演料としてニクソンに渡す200万ドルの出資集め。そして番組を買い放映してくれるTV局捜し。しかし収録当日になっても、両方ともうまくいかない。まして、ニクソンをやり込める決定的な攻め口が見つからない・・・。追い打ちはフロストが長年務めた番組から契約破棄を言い渡される。フロストごときが余りに無謀なことを、さらには成功したらしたらで業界では生きて行けまい。そんな声。観客は次第に映画に引き込まれていきます。
  結局、収録された映像は、1977年に実際にTV放映され、最高の視聴率を記録したそうです。

  合法の橋だけを渡っていれば何も問題はないが、無理を承知で時に非合法の橋も渡る。渡るのは政治家で、見守ったのか、渡らせたのか、それは当局の意思、なんて事はあるんだろう。
  事後処理は、いや事前処理は、物事のツジツマを精緻に合わせること。文書が公開される意義と必要性を考えさせられる。

TV実画面  原題:Frost/Nixon|
  監督:ロン・ハワード|アメリカ|2008年|122分||
  原作・脚本:ピーター・モーガン|撮影監督:サルヴァトーレ・トッチーノ|
  出演:フランク・ランジェラ (Richard Nixon)|マイケル・シーン (David Frost)|ケヴィン・ベーコン (Jack Brennan)|レベッカ・ホール (Caroline Cushing)|トビー・ジョーンズ (Swifty Lazar)|マシュー・マクファディン (John Birt)|オリヴァー・プラット (Bob Zelnick)|サム・ロックウェル (James Reston)|

  ← 実際の放映映像

  ニクソン大統領とは?・・・・ウィキペディアのページへ





洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

映画「踊子」  監督:清水宏  出演:淡島千景、京マチ子

  面白くない。
  荷風、浅草、そして淡島千景という事で、いそいそ京橋に行ったが残念でした。

  話の展開や演出が、とても古臭い。 ・・・私には限界だ。
  そして作り手の、ああしてこうして、こうしようが、見えてしまう。
  それに、清水宏の、なんて言うか・・・生徒会長・臭は、肌にあわない。

  しかし、賑わう浅草六区、浅草寺に至る仲見世通り、そして仲見世の左右の脇道にある呑み屋のシーンがいい。

  淡島が光らない。
  京マチ子の演技、なんとかしてくれ。

監督:清水宏|1957年|96分|
原作:永井荷風|脚本:田中澄江|企画:中代冨士男、久保寺生郎|撮影:秋野友宏|
出演:淡島千景 (花村花技)|京マチ子 (妹・千代美)|船越英二 (山野)|
田中春男 (シャンソン座振付師・田村)|藤田佳子 (踊子てる子)|穂高のり子 (踊子とし子)|町田博子 (アパート管理人)|楠よし子 (お妾)|酒井三郎 (楽屋番)|平井岐代子 (女将)|阿井美千子 (はぎ江)|藍三千子 (看護婦)|香住佐代子 (付添婦)|新宮信子 (踊子)|半谷光子 (踊子)|西川紀久子 (踊子)|坪井美知子 (踊子)|明石百合子 (踊子)|千歳恵美 (踊子)|桜井喜美子 (踊子)|真杉美智子 (芸妓)|白井玲子 (芸妓)|花村泰子 (芸妓)|津村雅弘 (演出助手)|伊達正 (羽子板や)
淡島         京

洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

時には夜空を見上げてみろ!

  • Posted by: やまなか
  • 2012-05-06 Sun 06:26:02
  • 一話
順調にいけば、今夜は満月だ。
よく見ると、いつもより大きく見えるはず。
明るさも30%増しで明るいはず。・・・月が地球に接近するコースを回っている、らしい。

そして、
今年の8月、満月は 「2度」 見れる。
8/2 と 8/31 が、満月らしい。

満月

映画「嵐を呼ぶ十八人」   監督:吉田喜重 出演:早川保、香山美子

トップ遠景2

  裕次郎やクレヨンしんちゃん、の映画ぢゃない。

門出  いい映画だ。
  呉の造船現場を扱う 鉄や錆や汗の臭いがする話だが、お作法がおしゃれなので映画は意外にさらりとしている。緻密な配慮、よく出来ている映画。頭のいい人が作った感じだ。どことなくフランス映画の芳香が漂う。例えばライティングの強弱の表情を楽しめる。例えば自動車の写し方が綺麗。また18人の立ち位置レイアウトは、当時のちょっと進歩的な舞台演劇を観ている感じ。



レイプ犯人捜し  大阪で職にあぶれた若い奴ら、中卒すぐ位から二十歳前の男たち、18人。もちろん互いに知らない間柄。手配師(芦屋雁之助)に職を斡旋されて、呉の小さな造船所にやって来た。非正規雇用。ジャンル的には臨時工で流れ者。鉄板を加工し溶接する。倉庫のようなワンルームに二段ベッドが並ぶ寮。
  反抗心はみんな人一倍だが、世間様に対して押し黙る知恵はある。押し黙らないのは、仲間うちだけ。だから仲間うちの境界線の引き方は、生きざまそのものだ。そんな奴らが呉に来て、一緒に住む。18人の中のどこに境界線があるか、手探りがはじまり喧嘩に。結果はみんな仲間、リーダーも決まった。

ふたり3  話の主人公は彼ら18人だが、映画の主人公は、島崎(早川保)。彼も臨時工だが、呉に来てもう長い、ベテランで腕はいい。ただし一本気で一匹狼、だから周りからは多少変人扱いされている。後に妻となる彼女ノブ(香山美子)がいる。
  この島崎が18人の寮の管理人を兼任することになった。同時に彼の給料前借帳消しのため。境界線外の島崎は18人の面倒をみることになる。一定の距離を置きながらも、徐々にお互いを受け入れ始める。


救出  この辺から映画が動き出す。
  不況の風で、造船所の正社員は組合ストライキで職場放棄。だが仕事は進めなくてはならない経営側は臨時工頼みになった。残業に次ぐ残業でみんな儲かった。その金持って呉の街で遊ぶ。パチンコ、ストリップ劇場、映画、ビアガーデン、ダンスできるゴーゴー喫茶。地元の若いもんと喧嘩になる。18人のひとり清一がやられて負傷。清一は相手のボス(平尾昌晃)を覚えていて仕返しを狙った。ついに市電の中でそのボスを刺す。

九州へ  造船所はついに臨時工の契約期間延長をしなかった。手配師は彼ら全員を九州へ送ることにした。そんな時、清一の母(浪花千栄子)が大阪からやって来て清一を引き取ると言う。
  手配師は17人の切符を買って呉駅で待っていた。九州へ向かう17人と手配師は列車に乗り込む。プラットホームで見送る島崎、清一母子たち。
  列車が動き始めたその時、清一は列車に飛び乗った。驚く母。
  18人は仲間だ。手配師が折詰と酒の小瓶を配り、車内はまるで修学旅行!・・・・・

  随所に抑制をきかせている。                     
  島崎があれ以上、18人に近づくと教師のようで臭くなる、その直前で止めて平板な話になるのを避けている。
  相手の18人、暗く重くならない程度の塩梅と、個の背景を詳しく描かない。その18人の見せ方が妙味。
  裏返せば分かりづらく欲求不満な映画。幼いが無頼の若者が体制や悪に立ち向かう大衆性はなく、若者が身を崩していくといった憐憫の情も誘わない。

  脇役がいい。
  特に、ノブのおばあちゃん役の浦辺粂子と、大阪から無賃乗車で呉に来た清一の母親役・浪花千栄子。お二方ともに脇役でチョイ役ですが、誰にも真似などできない、いい仕事!!してます。

  造船所は彼らを「製缶工」と呼ンでいる。鉄板を自在に組立加工溶接し塗装する。18人中、何人まともに技能があるのか。
  手配師(芦屋雁之助)をみんな「たこ師」と呼んでいる。今で言えば派遣か紹介かだが、合法なのか非合法なのか。
  呉は戦前は呉海軍工廠で「戦艦大和」が建造され、東洋一の軍港・日本一の工廠だった。だから敗戦後、米軍(進駐軍)は呉にも駐屯した。彼らが持ち込んだのが「かまぼこ兵舎」 これが米軍から払下げられて18人の宿舎になった。
  ある事件が理由で、呉市から広島市へ去ったノブに会うため島崎は広島に向かう。そしてナイターの広島球場で彼女と出会えた。このシーン、結構長くて、広島・中日戦が実際に行われている。そして中日の中継ぎ投手として、今やタレントの板東英二が投げている。(1959年、中日ドラゴンズに入団)

船
原題:18 Roughs|
監督・脚本:吉田喜重|1963年|松竹|108分|
原案:皆川敏夫 |撮影:成島東一郎|
出演 早川保 (島崎宗夫)|香山美子 (石井ノブ)|
<18人>
松井英二 (日出男)|岩本武司 (新吉)|木戸昇 (やすお)|西村勝吉 (良夫)|新治俊夫 (米二郎)|吉田茂久 (としお)|安田張介 (正夫)|近藤たかし (みのる)|安川洋一 (あきら)|広瀬義宣 (輝男)|生島孝治 (清一)|池戸英夫 (すすむ)|西京利彦 (ひろし)|山名良忠 (まもる)|中井忠行 (つとむ)|鳥居健造 (春夫)|田中康弘 (かつみ)|石田裕志 (たかし)|
<脇を固める名優たち>
殿山泰司 (造船所の村田係長)|中村芳子 (村田安江)|根岸明美 (村田の娘で教師、18人の面倒を見る久子)|三原葉子 (ノブの母・石井スミ)|浦辺粂子 (ノブのばあさん・石井ギン)|芦屋雁之助 (手配師・森山)|浪花千栄子 (清一の母)|平尾昌晃 (街のヤーさんボス・和夫)|

洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

気になる映画 31

真!韓国映画祭2012             ジョン・カサヴェテスRetrospective
新宿K’sシネマ                イメージ・フォーラム
5/26〜6/15                   5/26〜6/29
IMG_scxcac0001.jpg       IMG_00acacac02.jpg


「さあ帰ろう、ペダルをこいで」         「モバイルハウスのつくりかた」
ステファン・コマンダレフ監督           本田孝義監督
シネマート新宿・心斎橋              ユーロスペース
5/12〜・5/19〜                   6月
IMG_0qwefwef003.jpg       IMqefefefG_0004.jpg


ドキュメンタリー映画                 ドキュメンタリー映画
「珈琲とエンピツ」                「誰も知らない基地のこと」
今村彩子監督                   エンリコ・パレンティ&トーマス・ファツィ監督
オーディトリウム渋谷               イメージ・フォーラム
4/29〜5/4                     4/7〜
IMG_000wefefef5.jpg       IM6579G_0006.jpg


                           ドキュメンタリー映画
「ムサン日記〜白い犬」            「孤独なツバメたち」デカセギの子供に生まれて
パク・ジョンボム監督               津村公博・中村真夕監督
イメージ・フォーラム               新宿K’sシネマ          
5月                         6/30〜7/13
IosjruaMG_0007.jpg       IM6dp8b2G_0008.jpg



洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

映画「大陸」  監督:エマヌエーレ・クリアレーゼ  イタリア映画祭2012

トップ

  「大陸」 とはアフリカ大陸だと思っていた。

  アフリカからEUへの不法移民が後を絶たないらしい。
  かれらは死に物狂いで地中海を渡ってくる。漂流してくる。そんな場に遭遇し、驚き戸惑う主人公たち。そしてそれを観て我々も、地中海の現実に驚愕する。

  映画の舞台はイタリア、といってもシチリアの沖合、南西に位置するペラージェ諸島。この島々の位置は、シチリアから遠く離れて、実はもうアフリカに近い。観光の島だ。コバルト色した海、新鮮な海鮮料理。でも夏場だけだ。通年、漁業は衰退している。魚がとれない。 イタリアの僻地、ペラージェ諸島の人々も時に「大陸」を目指す。

母  主人公の20歳の青年フィリッポの父親は漁師。海で死んで、もう3年になる。後を継ぐフィリッポは祖父と漁に出る。バイク屋の叔父は夏場は観光業で勢いよく稼ぐ、現実派だ。「漁師なんかやめておけ」と言われる。
  フィリッポの母は沈んでいる。3年経ってそろそろ、人生を切り替えたい思い。再婚が頭に過る。漁はやめてフィリッポとこの島を出てイタリア本土に行こう、そう決心した。そのために、今夏は観光客に自宅を貸して稼ごう。庭にはハンモックを用意した。漁船で海めぐりコース付。
  さあバカンスシーズン開幕。観光フェリーが島に着いて、大勢の観光客が下りてきた。フィリッポは手練手管で若者3人の観光客をつかまえ、一緒に自宅まで案内、宿泊のオーケーをもらった。

子  そんなある日いつものようにフィリッポは祖父といっしょに漁に出た。そして事件に出会う。多くの難民がボートに乗って漂流している。すぐに警察に無線連絡した後、気が付いた・・・。溺れそうな数人がいる。祖父は一瞬躊躇したが、その数人を船に救いあげろと指示をした。
  こういった不法行為が後を絶たない海。来たら送り返すのが鉄則だ。彼らを乗せてフィリッポの船は夜、寄港した。岸壁に着くなりアフリカ人はみな足早に闇に消えて行った。しかし、ただひとり残った女性がいる。身重だ! 出産が近い。少年もいる。祖父はこの母子を家に連れて帰って、かくまった。
  ここで映画は大きく動き出す。一家は、バカンスで稼ごう、どころではなくなった。フィリッポは?祖父は?母は? どう思い、どう行動するのだろうか・・・・。そして夜の海で、悪夢のような事件に我々は遭遇する。

  「不法行為をするアフリカ人は観光に悪影響だ。溺れていても見ぬふりが一番。」 「警察当局は厳重な警備監視をしている。だからアフリカ人問題は当局に任せておけばいい。」 「かかわれば面倒な事になる。救助して漁船差し押さえなんてことになったら・・・生活は立ち行かない。」
  「でもだ。人として、どうなんだ。」 混乱するフィリッポは、頭を冷やすべく海に潜る。その海底には、聖母の像が立っていた。 

海  映像がいい。
  漁船の船べりから乗り出したカメラは、波しぶきすれすれで臨場感を出す。海底から海面を見上げるシーン。船底を見せながら漁船が通り、漁網が下りてくる。あるいは観光客がいっせいに海に飛び込むのを海底から見上げる。そしてはるか上空から、白波が立つ波高し海を行く、一隻の漁船をスローモーションで描く。フィリッポの船だ。航行の方角は、イタリア本土。
  つっこみ所はあるが、朝日ホールまで出向いて損はなかった。アフリカ人の越境の現場が垣間見れる、いい映画だ。

原題:Terraferma (テッラフェールマ)|
監督:エマヌエーレ・クリアレーゼ(Emanuele Crialese)|イタリア|[2011年|88分|
出演:フィリッポ・プチッロ(フィリッポ)|Donatella Finochiaro(母ジュリエッタ)|Mimmo Cuticchio(祖父エルネスト)|Timnit T(アフリカ人の母サラ)|Beppe Fiorello(フィリッポの叔父ニーノ)|ほか

フィリッポ<イタリア映画祭2012にて>
  フィリッポ役の俳優フィリッポ・プチッロは、ペラージェ諸島のランペドゥーサ島出身。今もこの島に住んでいて、映画の中のフィリッポと同じで、観光業や漁業をしている。 「漁中に海に浮かぶアフリカ人の死体も見た、最近では500人ほどが船で島に到着した。」 そんな話をイタリア映画祭2012のステージで披露していた。
  ランペドゥーサ島は、シチリアから200kmの距離に対し、チュニジアの海岸からは110kmらしい。


地図


洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

映画「ひかりのまち」 監督:マイケル・ウィンターボトム

s1 ひかり4  s4 出会い 窓
s2 ひかり5  s5 バス
s7 ヘッドライト  s3 ひかり6
  いい映画だ。
  観たあとに、ジンワリほっとする映画だ。
  ロンドンに住む「中の下」くらいの人々が生活する街。普通の人々の、よくある話だが、いっしょになって観客も悩み、最後は喜びを共にできる。緊張感は強いられない。話はゆるりと てんでバラバラに展開するが後半になるに従い、複数のエピソードがある一点に向かって寄り集まっていく。

  どの話も、うずくまりがちだが、話を部屋に閉じ込めず、街に引っ張り出す。
  外気を吸ったエピソードは、その鬱積を少々発散させながら、また部屋に舞い戻る。ロンドンの街路撮影シーンが多用されている。
  ラフなカメラワーク、粒子の粗い映像だが綺麗。かつ、今を生きてるって感じのいきいき躍動感がある。しっかりした画面構成。丹念にカラーコーディネートされた画面。そんな土台の上で、カメラが光と自由に遊んでいる。その楽しさは観客に十分伝わってくる。「普通の人々の、よくある話」と書いたが、そんな話に魅入らせるのは、この映像だからだ。
姉 息子と元夫


 長女デビは美容師、気が強い。
  元夫ダンと別れてバツ1、息子のジャックとマンションに2人住まい。

母子3  このところ彼女は男をとっかえひっかえ、お遊びにご熱心。ダンは時たま、ジャックに会いに来てふたりで外出する。
  今回、ふたりで外出したはいいが、ジャックを遊園地で一人にしてダンは女とよろしくだった。ジャックはひったくりに会い警察に保護される。息子を見失ったダンはデビの家に戻ったが誰もいない。ダンはナディアを呼び出して夜の遊園地を探索。結果、警察署でジャックと、母のデビ、ナディア、ダンの3人が顔を合わせた。
帰りのバス


 次女ナディアは27歳未婚独身。
  ソーホーにあるカフェのウェイトレス、地下鉄で通勤、一人住まい。

次女  このところ伝言ダイアルでお相手捜し。部屋でたくさんの伝言を聞き流している。その中のひとりと一夜を共にしたが、ナディアの心は虚ろになるばかりだった。
  ナディアはこの時は気が付かないのだが、カフェの常連客にアフリカ系の青年がいて、彼は不器用で、ナディアに愛を言い出せず悶々としていたのだ。


エディ夫は退職済

 三女モリーは教師。出産が近い。
  夫エディは優しいが、今の仕事が嫌で転職に悩んでいる。でもモリーに言い出せない。2人住まい。新居のキッチンを新しくした。

ぶちきれる  言い出せないエディはあてもなくバイクで市内をうろうろしていた。運悪く交通事故を起こし負傷して病院に担ぎ込まれた。
  一方、モリーは姉のデビと一緒だった。そしてモリーが急に産気づき、あわてて二人は病院へ。そこへ、警察からジャックを保護している旨の連絡をデビが受け、急きょ、デビは息子ジャックのもとへ走った。
  モリーは女の子を無事出産。病院の廊下で、車椅子に乗ったエディと出くわす。お互い同じ病院に入院してるとは知らなかったのだ。以前に二人の間で赤ちゃんが娘だったら、「不思議の国の」アリスに決めていた。



データ監督:マイケル・ウィンターボトム|イギリス|1999年|108分|原題:Wonderland
脚本:ローレンス・コリアト|撮影:ショーン・ボビット|音楽:マイケル・ナイマン
出演
シャーリー・ヘンダーソン (長女デビー・美容師・バツ1・息子ジャックと2人住まい)|
ジーナ・マッキー (次女ナディア・カフェウェイトレス・独身)|
モリー・パーカー (三女モリー・教師・出産近い・夫エディと2人住まい)|
エンゾ・チレンティ(長男・ダレン・唯一両親と同居していたが母アイリーンとそりが合わず家を出た)
イアン・ハート (ダン・デビーの元夫・今は単身プレーボーイ)|
ジョン・シム (エディ・モリーの夫・転職中)
キカ・マーカム (アイリーン・上の3女1男の母・更年期障害? 旦那と2人住まい)
ジャック・シェパード (ビル・父親・定年後で暇を持て余している。アイリーンが口やかましい)
s6  花火  s8 遊園地
s9 夜景1  s11 夜景2
s12 店  s13 ちかてつ

洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

映画「メリエス’88 」   フランス国営映像研究所制作

150トップ








  実は一番言いたいことは、文末にある。
  が、しかしまずは本作「メリエス’88 」について始めよう。

引っ越し 指揮  ジョルジュ・メリエス(1861年-1938年)の没後50周年を記念して、フランス国営映像研究所が制作し1988年フランスで放映されたテレビ番組作品がこれ。
  司会者がメリエスの業績を、メリエス本人の映画のシーンと、彼のシナリオを元に新たに制作された短編映画を交えながら紹介していく。
  (左4点はすべてメリエス映画のシーン)


千一夜 蝶  残念ながら、その新作短編映画がつまらない。
  メリエス的映像マジックやCGを使うが、1988年当時でも面白くなかっただろう。
  ここで分かることは、マジシャン出身のメリエスの体臭から立ち上がる、胡散臭さや怪しさだ。これが無いと、すっ呆けた映画にしかならない。そうそう、自分が作った芝居の舞台に、観客や役者をかき分けて躍り出る唐十郎に近い、あれだ。あのエネルギー。

  「メリエス’88 」は日本でも放映された。その時、続いてメリエスとは関係ない短編映画が放映された。(「幽霊」「夏山と氷河」ほか。フランス国営映像研究所が委嘱した作品?)
落下2
  その中で「幽霊」が印象深い。
  高い尖塔を持つ大きな教会、街中の広場に面してあるようだ。突然、教会内のマリア像からマリアの霊が抜け出て、その霊がおもむろに尖塔の上空まで上昇していく。この奇跡を見ていた多くの市民は、上空のマリアに手を合わせている。
  その中の一人のおばさんが突如、宙に浮き上昇し始めた。そしてマリアに近づいた途端に、落下! 教会の出口付近の石畳に叩きつけられた。これ、ジャン=ピエール・ジュネ監督の「アメリ」、彼女の母の、突然の死のシーンを連想しませんか?  

フランス国営映像研究所制作
監督:アラン・ナウム|フランス|1988年|
<メリエスのシナリオを元にした短編映画>
監督・脚色:Z・リブズンスキー(満足した名誉/決闘 より)|ズビック|マルク・カロ(100のトリックを持つ男)|ジャン・ピエール・モッキー(小人と巨人の国のガリバー)|ほか
<付録映画>
「幽霊」(監督パスカル・オビエール)|「夏山と氷河」|ほか

洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

黒砂糖「こつぶ」

  • Posted by: やまなか
  • 2012-04-26 Thu 06:31:18
  • 一話
黒砂糖
100円ショップのダイオーズで見つけた。おいしい。

パッケージが、いかにも大阪っぽいので買ってみた。(大正13年創業)
写真の右端1行目 「大阪・・・なにわで」の・・・に通天閣のイラスト。

サトウキビを絞って加工しない純黒砂糖と、
サトウキビからのグラニュー糖などの原料糖をミックスしている。
だから、黒砂糖らしさを保ちながらも、あっさりしている。

製造
上野砂糖株式会社 大阪市浪速区塩草3-6-3
http://www.osatou.com/

映画「百年の夢」   監督:ドゥシャン・ハナック

トップ男

  欲と雑音に気をとられ 忘れている、生きるって何?
  
  原点に帰ると、生きるのバリエーションを教えてくれる。
  それは薄々感じていた事に意外に近い。

  貧しい大地に住む、年老いた人達の生活を綴ったドキュメンタリー映画。
  村の一員として生活する老人もいるが、多くは村から遠く外れて納屋のような、あばら家で孤立独居する。僅かばかりの畑を耕し鶏を飼う。電気も水道もガスもない。馬車に住む羊飼いもいる。1970年代、スロヴァキア共和国のファトラ山地の荒野に、こういった人々が点在していたらしい。
馬車  一様に身寄りがない人々だ。戦争や病気で家族を失った人。結核になったため辺鄙なこの地に隔離された人。たぶん、村八分にされた人。流れてきた人。 何かしらの理由で社会からこぼれた人々だ。生活保護は受けているのだろうか? あるいは棄民か。街に出て卵を売る人もいるが、街を歩く人々の視線は浮浪者と映る。 
  悲しみに打ちひしがれて毎日を送る人もいるが、大方はさしたる感情もなく時が過ぎるのを淡々と見送っている。時間に自由がある。めいめい、時を相手に鶏を相手に好きなことをしていると言える。
  ひとつの事に熱中する人もいる。ロケットや宇宙に魅かれる人。水車の動力と歯車の仕掛けを使って、木製の人形を多数、コミカルに自動で動かす人。中には成り上がっていく人がいる。老人という歳じゃないが、昔の事故で下半身不随だ。車椅子はない。しかし四つん這いで労働して家畜を飼い畑を耕し、自力で家を新築した。
  映画は、老人たちに愚かなインタビューをする。「人生で一番大切な事ってなんですか?」 このシーンは鼻白む。映画スタッフが若かったのかな?

夫人  人間、どんなことがあっても、命果てるまで生きる。

  1972年製作だったが、当局により16年間、国外持ち出しが禁止された作品らしい。

原題:Obrazy Stareho Steva|
監督・脚本:ドゥシャン・ハナック|チェコスロバキア|1972年|71分|
撮影:アロイズ・ハヌセック|


耕す ろば


洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

小説「謎のヴァイオリン 」 クリスティアン・ ミュラー著

  • Posted by: やまなか
  • 2012-04-23 Mon 06:43:28
  • 書評
本 表紙mage_0


  ヴァイオリンに贋作(がんさく)があることを教えてくれた本。
  名器ストラディバリウス以外に、グアルネリウスという名器があることも教えてくれた小説。
  元捜査官でヴァイオリン鑑定家という都合が良すぎる主人公が、このグアルネリウスにまつわる贋作?について依頼を受け国際的に調査が始まる。
  話は面白く展開し、その中でヴァイオリンのうんちくが披露される。ヴァイオリンは簡単に分解できて、例えば一挺の破損した名器から、二挺の名器が生まれる。当然不足のパーツは古楽器から調達する。鑑定の目は、響き、音色、デザイン様式や素材や木目に鋭く迫る。ソ連からロシアになる端境期に博物館から著名なヴァイオリンが複数流出し、その後行方不明だった。まるで名画と同じようだ。

ヴァイオリン

  ストラディバリが製作したヴァイオリンは、1200挺あるといわれ、今600挺が存在しているらしい。
  一方、主人公のグアルネリウスは、制作された挺数は200程度で現存する挺数ははっきりしていない、ところが面白い。うろ覚えだが、当時、ストラディバリはパトロンがいる著名なヴァイオリニストがユーザーで、よって当時も高価。その上、工房形式で生産されたので生産本数が多い。グアルネリウスは個人で製作、ユーザーは街の演奏家だったらしい。

  (←)グアルネリウスとは・・・ウィキペディアはここから

映画「行きずりの二人」  監督:クロード・ルルーシュ

トップ道

  フランスの田舎の寂しい一本道、一台のシトロエンが雪道を疾走する。
  景色は白一色。モノクロ映像がきれいだ。サイレント映画にしても楽しめる。

  終身刑の男がサンテ刑務所を脱獄し、盗んだ車で逃走。行方不明らしい。
  シトロエンを運転するこの男は、一人旅なのか、少なくとも旅の季節じゃない。

車中  対向車はほとんどない。男はヒッチハイクの神父さんや何人かを乗せてやった。身体が冷えてきた。熱いコーヒーが飲みたくなって一軒の店に入る。地元の常連客の向こうに、女が一人、テーブルにいたが、男と入れ違いに店を出て行った。店の主人によるとヒッチハイク専門の旅人らしい。それを聞いた男は、あわてて車を出した。ほどなく雪道を歩く女に追いついた。彼女は乗車した。
  ふたりは世慣れしていて、初対面でも たわいもない話で笑いあった。途中下車し宿に泊まり旅は続いた。

女  その間、珍しく追い抜こうとする車に出会う。雪道なのに互いにむきになって、しばらく続くカーチェイス。こんな事でもないと退屈な田舎道であった。
  泊まった宿で脱獄犯と間違われる。次の宿で警察が追いついた。ふたりの刑事は宿の一階で徹夜し朝を待っている。翌朝、2階に上がり男の部屋に押し入る。男は睡眠薬で目が覚めない。そう、女は男の所持金を持ってすでに逃亡していた。刑事はこれで確証を得、常習犯のこの女を追いかけて行った。



  大したストーリーはない。だけど何やら大人の映画だ。
  映画は贅沢に持て成してくれるものだという気持ちだと、肩すかしかもしれない。ラストで男は犯人じゃなく女が犯人だったことが分かるだけの話なんだけど、サスペンスになってます。
  雪景色のように話の背景は何もない。饒舌すぎるカーラジオからのニュースだけ。話の背景を描きこんでいない分、すっきりしていて淡麗辛口。モノクロ映像がよく似合う。雪 シトロエン
  度々挿入される映像は、ドキュメンタリーと思いましょう。
  それから古い映画ですから、テイストはまったりしてます。そこを楽しみましょう。
  シトロエン、きれいな車だと思います。


原題:L'AMOUR AVEC DES SI...|
監督・脚本:クロード・ルルーシュ|フランス|1963年|82分|モノクロ|
撮影:パトリス・プージェ|
出演:ギイ・メレッス(男)|ジャニーヌ・マニャン(パリの女)|ジャン・フランヴァル
追い越し  カーブ


洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

映画「π (パイ)」  監督:ダーレン・アロノフスキー

トップ333

  いま観ると、30年以上の未来から見ていることになる。
  映画が描いている時代は1980年のちょっと前。そのくらいのコンピュータ技術のようだ。しかし、この映画、1997〜8年に製作しているのに、作り手がコンピュータを理解していない可笑しさが面白い。
  10数年前の文系のコンピュータ妄想って、こんなだっけかな? 上の写真、見ていると歯医者にみえる。(私も文系ですが)

  でも、絵がいい。映像を楽しみたい。
  サイレントにして、部屋の壁にでも映写して、好きな音楽を合わせるといい感じ。


ドリル2監督・脚本:ダーレン・アロノフスキー|アメリカ|1997年か1998年|84分|
撮影:マシュー・リバティック|
出演:ショーン・ガレット (マックス・コーエンMaximillian Cohen)|マーク・マーゴリス (ソルSolRobeson)|ベン・シェンクマン (レニー・マイヤーLenny Meyer)|パメラ・ハート (Marcy Dawson)|Stephen Pearlman|(ラビRabbi Cohen)|サミア・ショアイブ (デヴィDevi)|アジャイ・ナイデゥ (ファロックFarrouhk)|クリスティン・マーアン・ラオ (Jenna)|ローレン・フォックス (Jenny Robeson)|ジョー・ゴードン (Mrs.Ovadia)
コニーアイランド ドア 街
  「π」円周率は超越数らしい。3.14と思っていたが奥が深そうだ。気になる人はこちらのウィキペディアへ

洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

映画「コントロール」  監督:アントン・コービン

トップ2
  イアンのファンにとってはクソ映画だろう。だって本人じゃない。

  しかしファン以外は観て損はないかもしれない。
  モノクロ映像はきりりとして、陰影のグラデーションが綺麗だ。どのシーンも絵になってる。

  1976年に結成されたイギリスのロックバンド、ジョイ・ディヴィジョン。イアンはボーカルと作詞をした。1980年、米国ツアー直前に自宅で自殺してしまう。
  イアンは学生の頃から、紙切れに書きためた詩をファイリングし、ノートにも綴っている。ある瞬間、頭に浮かんだイメージを、かき消されないうちに切れっ端に書き留める。イメージが浮かんで来そうな予兆を感じる時、新婚早々でも、ひとり、部屋に閉じこもってノートを開く。

薬  イアンがてんかん持ちであることが病院に行ってわかる。その後のイアンにとって、てんかんはもちろんだが、薬の副作用が与える影響は大きかっただろうと思う。
  診療室でイアンは副作用について医師に問いただすが、医師は他人事のように話すシーンが印象的だった。

  真面目な人柄で、内省的な詩を書くのが好きで、ロックが好きな男は、田舎町に住んでいた。地元の女性デボラと19歳で結婚。イアンは近くの役所で身体障がい者に職業紹介する窓口業務を仕事とした。しかしバンドの活動が活発になりアルバムが出るようになると、イアンは田舎町サイズより、だんだんと大きくなっていった。この差異にイアン夫婦は最後まで翻弄される。そしてミュージシャンのイアンに恋するアニークが現れ、妻デボラは戦う。

  原作はイアンの妻デボラその人。彼女の伝記でもある。彼女の視点からのバンド裏話なんだろう。アントン・コービン監督は写真家であり、写真家らしい良い映画だ。

ベルギー監督:アントン・コービン|イギリス・アメリカ・オーストラリア・日本|2007年|119分|
原作:デボラ・カーティス|脚本:マット・グリーンハルシュ|撮影:マーティン・ルーエ
出演:サム・ライリー (イアン・カーティスIan Curtis)|サマンサ・モートン (デボラ・カーティスDeborah Curtis)|アレクサンドラ・マリア・ララ (アニーク・オノレAnnik Honore)|ジョー・アンダーソン (フッキーHooky)|ジェームズ・アンソニー・ピアソン (バーナード・サムナーBernard Sumner)|トビー・ケベル (ロブ・グレットンRob Gretton)|クレイグ・パーキンソン (トニー・ウィルソンTony Wilson)|ハリー・トレッダウェイ (スティーヴン・モリスンSteve Morris)|リチャード・ブレマー (ケヴィンKevin (Ian's Fathere))

洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

映画「水の中のナイフ」   監督:ロマン・ポランスキー

トップ風




  アンドジェイ36歳と妻クリスチナ。出会ったころはこの国が苦難の渦中、だからこそ熱く燃えた恋だったのかもしれない。アンドジェイは苦学生から成り上がった。今や自家用の高級車とヨットを持っている。そんな上昇気流に乗って妻クリスチナも寄り添ってきた。アンドジェイはワルシャワで記者らしい。

  成りたい富裕階級になって何故か人生に、避けがたい強い憂いを感じている。あるいは綺麗ごとに嫌気がさしたのか。もちろん夫婦の倦怠感もあるだろう。映画は説明しないが、アンドジェイに自暴自虐を感じる。
  週末をヨットで、というレジャーパターン。何回も来てヨットのノウハウは習熟したが、スポーツのウキウキ感はもう擦り切れてる。湖に行く道で19歳のヒッチハイカー男を乗せる。田舎道だが、時速130キロも出して大丈夫?と、この青年に言われる。

食事www
  湖に着いて、アンドジェイは結局この青年をヨットに乗せてしまう。湖上で一泊二日。ヨット初体験の珍客が混じることで楽しめそうだとアンドジェイは踏んだ。
  湖上の気まぐれな気象変化は、陽射しや陰り、好天や雨天、風向きと風力、凪や嵐を繰り出して、ヨットと3人の心理を、もてあそぶ。そして3人は、斜めに捻じれながら、思いのほかに鋭利なスリルと、鈍痛な後悔のはざまで、滲み輝く。

  今日は帰る日。アンドジェイに仕事が待っている。羽目を外し楽しんだ後始末、日常モードに帰る回路が働き始める。ヨットは陸に近づいた。
  青年が所持するナイフの事で他愛無い争いをした。弾みでナイフと青年が湖に落ちる。慌てて彼を探すがついに見つからない。事故だ。妻を船に残し、アンドジェイはなぜか一人陸へ泳いで行った。
船上の  その様子を浮きブイの陰から見ていた青年はクリスチナのいるヨットに戻り、逢瀬を楽しむ。休暇の仕上げだ。青年は途中で陸に上がって何処かへ去っていった。
  妻はヨットハーバーにもどる、ぼんやりしたアンドジェイが待っていた。荷を車に積み込み、夫婦はワルシャワを目指す。アンドジェイは事故の報告のために警察に出向くという。クリスチナは言う。彼は戻ってきて私を抱いたわ。我を苛むアンドジェイは妻の言っていることを、自分への慰めのための嘘と思い込んだ。こんな時は何を言っても聞かないことを知っている妻は黙った。もともと真面目な男だったが、今、アンドジェイが警察署に行こうとしている気持ちは、真面目だけからだけじゃない。今の人生を変えるかもしれない何かを、他力に期待していると言えば言い過ぎか。もちろん、誰も見ていなかった。黙っていれば済む話だが。

警察へ
  車はそこで止まった。
  右に行けば警察署がある。左はワルシャワへの道だ。
  当たり前の事に直面した時、事が単純なほどに、人は思いのほか逡巡する。

  ジャズサックス・ソロのだるい旋律が湖面を流れる映画。美しいモノクロ映像と相まってオシャレ。古さは感じられない。アンドジェイもその遠い昔にナイフを無くしただろう。その時もクリスチナは見守ったのかもしれない。




原題:Noz w Wodzie|英題:A Knife in the Water|
監督:ロマン・ポランスキー|ポーランド|1962年|94分|
脚本:イェジー・スコリモフスキー、ヤクブ・ゴールドベルク、ロマン・ポランスキー|
撮影:イェジー・リップマン|
出演:レオン・ニェムチック (アンドジェイAndrzej)|ヨランタ・ウメッカ (クリスチナChristina)|ズィグムント・マラノウィッチ (The young man)|

洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

映画「二階の他人」  監督:山田洋次  出演:葵京子

階段2











  ほろ苦いコメディ。
  当時は、まだまだ、「他人」との距離が近い時代だった。

家をプラン






戸建を建てる
  葉室は、部長の秘書をしていた明子と社内結婚。結婚してすぐに注文住宅を建てた。住みやすい理想の間取り。新しく宅地開発された丘陵地帯の、丘のてっぺんに近い。駅から歩く、坂や階段をあがる。周りには、まだ家が建ってない土地が目立つ。でも裏の家は地元のお巡りさん一家が住んでるんで安全だ。ただ道路は舗装されてない。雨降れば、道がぬかるんで長靴が必需品。
  当然、借金した。二階建てにして、二階を他人に貸そう。そうすれば毎月、家賃を返済にまわせる、こういうアイデアだった。そして足らない分を葉室の兄から20万円借りた。この金を兄から借りれた言い訳は、「基本的には兄さんが母さんの面倒をみるんでしょうが、何かあれば私が面倒をみます」 兄と母さんは相性が悪い。


最初に二階を間借りした夫婦
  小泉夫婦。旦那は学生運動くずれで無職。葉室に職を紹介されるが、そもそも働く気はない。妻は夕方、和服姿で出勤だ。だから小泉夫婦は昼間、だらだらしている。
  二階に台所は無い。だから、この夫婦は、まかない付き(食事付き)。そして葉室家に風呂は無い。近所に銭湯があるので浴室は予算上カットした。
最初の間借りww  ある日突然、葉室の母さんがやって来た。来たはいいがこの母さん、することがない。二階に上がって小泉夫妻と三人で昼間っから花札に熱中。いい遊び相手ができた。
  しっかし、小泉夫婦は家賃を払わない。滞納している。催促は、はじめ控えめにしていたが、そのうち葉室は、はっきり言うようになり、ついに小泉を殴る。やっと出て行ってくれた。
  後で分かったことは、小泉夫婦はこうやってあちこちの家で家賃滞納を重ねて日々をしのいでいた。そして長居した母さんも、ひっそり帰って行った。


2番目の間借りした夫婦
  来島夫妻。音楽評論家らしい。引っ越し家具を見てびっくり。オーディオ機器、冷蔵庫と、随分お金持ちな感じ。玄関にかけた来島の表札が、葉室家の表札より大きく立派。来島は葉室にこれで浴室を作ってくれと10万円をポーンと渡して頼んだ。またもやびっくり。
親子www  増築工事が終わり今日が初風呂というその日に、母さんがまたやって来て、彼女が初風呂の一番風呂を堪能した。
  母さんの今回の登場は、葉室家3兄弟が集まり大きな議題となった。今後、兄弟の誰が母親の面倒をみていくのか。横で聞いていた母親は、たらい回しされる自分が情けなく思わず席をたった。結局のところ、兄が貸した20万円を返せという話になった。
  兄に返す20万円、葉室は悩んだ末に来島から20万円借金することにした。来島は快く貸してくれた。
逮捕www  しかし羽振りのいい来島にはわけがあった。彼がいた職場から多額の金を横領していたのだ。そしてその筋から脅しが入っていた。そして葉室家に警察が入って来島夫婦は逮捕される事件が起こる。葉室は借りた20万円そして浴室増築10万円、どうしたものか、自分にも調べが入るだろう・・・。
  さて新婚間もない葉室夫妻はどういうことになってしまうんだろうか・・・。

  家を建てて良いことはあったが、他人に貸して良いことはない葉室家だが、貸さないと回らない。次に借りてくれる人はどんな人だろうか。

監督:山田洋次|1961年|松竹|56分|
原作:多岐川恭|脚色:野村芳太郎・山田洋次|撮影:森田俊保|
出演:小坂一也 (葉室正巳)|葵京子 (葉室明子)
高橋とよ (母・とみ)|野々浩介 (長兄・鉄平)|穂積隆信 (次兄・信哉)
平尾昌晃 (小泉久雄)|関千恵子 (小泉晴子)
永井達郎 (来島泰造)|瞳麗子 (来島葉子)
峰久子 (次兄・信哉の妻)|山本幸栄 (遠藤巡査)|水木凉子 (遠藤貞子)|須賀不二男 (三田村部長)|水上令子 (三田村の妻)|白川慶子 (三田村の女中)|今井健太郎 (男)|末永功 (葉室の会社の同僚)
かさ

洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

ヒューゴの不思議な発明   監督:マーティン・スコセッシ

ヒューゴ2








  どちらもロンドンの話だったが、孤児院にいたオリバー(19世紀)とか、メリーポピンズに出てくる、 屋根の上の、誰も知らない空間で仕事する煙突掃除人たちの話(1910年)なんかを、映画を観ながら、ぼんやり思い出していた。
  

<ターミナル駅(終着駅)>・・・上の写真、ヒューゴの背後に見えるモンパルナス駅
  パリにあるモンパルナス駅。少年ヒューゴは、この駅の隠れたスペースに住んでいる。
  映画に、列車のブレーキが利かずに暴走し駅舎を突き抜けるシーンがある。 これ 1895年に、実際にこの駅で起きた事故。凄いね! CDジャケットで知ってる人もいるかも。
Train_wreck_at_Montparnasse_1895.jpg

売店<駅の売店>
  あの、ジョルジュ・メリエスは晩年、失意のどん底にいた、らしい。そしてこのモンパルナス駅で、おもちゃと駄菓子の売店をしていた・・・の、映画のシーンがこれ。(へー、そうだったんだ)



  そして、実際にこの店の写真が残っていた、ほんまけ!?
  売っている物に関心がいく。
売店222

売店333

tuki.jpg原題:Hugo|
監督:マーティン・スコセッシ|アメリカ|2011年|126分|
原作:ブライアン・セルズニック|脚本:ジョン・ローガン|撮影:ロバート・リチャードソン
出演:ジョルジュ・メリエス (ベン・キングズレー)|ヒューゴ・カブレ (エイサ・バターフィールド)|イザベル (クロエ・グレース・モレッツ)|ほか


                         正直、この写真は好きじゃないな。(右写真→)



「ハリウッドホンコン」  監督:フルーツ・チャン

耳    チュウ一家

  人と豚。擦れ合う肌。食う肉、食われる肉。
  人の片腕は夜空を飛び、めいめいの憂さは、ブランコ大きく振って振り落とせ。

店 ぶた運ぶ 再開発が決まっている、香港の不法な密集住宅地区ダイホム・ビレッジ。様々な人々が、生活の場を追い立てられようとしている。一方、そんな事は我関せずで、黙々と商売に励む人たちもいる。
  そんなかのひとり、焼き豚製造販売のチュウ。奥さんは出て行ったが息子のミン、その弟サイ。そろいもそろって巨漢だ。毎日3人そろってトラックに乗り、食肉市場で豚を買い、店の裏の工場に運び込み、照り焼きにしている。美味そうな香りがしてくる。路地の商店街にある店は繁盛している。
  その近くにウォンが住んでいる。同棲の女性とふたりでネットで売春稼業している。ミンは常連客だ。

女
  そんな彼らの前に上海から来たという、ひとりの女性が現れる。3つの名前。
 彼女のONな名前 : 紅紅(ホンホン)
  出会い系サイトで働いている。ウォンが客になった。ちょっと恋気分のウォン。
  紅紅は公園の林の中で夜空を見たり、普通にあるようなデートごっこがしたかった。


 彼女のOFFな名前 : 東東(トントン)
ブランコ3  プラザ 東東は、サイの前ではまるで少女のようだ。プラザ・ハリウッドで食べたり遊んだり、ふざけ合い楽しそう。
  サイの店の裏庭にブランコがあった。ブランコに乗って嬉々としている彼女は、幼い頃を幼いように生きれなかった事を取り戻そうとしているようだ。




どう  ii も一度、彼女のONな名前 : 紅紅(ホンホン)
  サイと遊んだついでに、紅紅に戻った?東東はミンに妖しいチョッカイをかける。彼女はONとOFFの間に、もうひとつあるようだ。
  そして父親のチュウも東東名義の彼女に淡い気持ち。チュウはこれがもとで人生最大の出来事に遭遇するが、日頃のプロ意識はとっさの判断を促し、誰知らず事を終えることになる。

 彼女の3つ目の名前 : 芳芳(フォンフォン)
立ち退き  密集住宅地区ダイホム・ビレッジから見上げると、高層のハリウッドマンションが嫌でも見える。このマンションのC棟26階260号室が彼女の家だ。一人住まい。最近引っ越してきたようだ。生活感が全くない。コンビニで済ませている感じ。ピーターという男と愛人関係でパトロンで売春組織のボス、つまり地場のやーさん。芳芳はアメリカに連れて行ってとピーターにせがむ。行きたいらしい。憧れている。抜け出たい。

マンション  そのために、芳芳はこの部屋でウォン・ミン・チュウなどに脅迫の手紙を書いている。ピーターの入れ知恵である。未成年の紅紅/東東に対して淫らな行為をしたとして・・・。請求額15万ドル、高額な請求である。実は芳芳は二十歳を越えていた。
  芳芳はピーターに電話で言う「強(キョン)という男が未払いなの」
赤い布
  実は、東東でいる時の芳芳は、サイをこの部屋に連れてきた。見下ろすダイホム・ビレッジ。しかしサイは自分の家がどれかわからなかった。サイは急いで家に帰り、マンションにいる東東に赤い旗を振った。それを見て彼女も窓から赤い布をはためかせた。
 
  そんな脅迫な手紙が届いた男たちは慄き怒った。
  なかでもピーターは未払いの「強」という男を手下どもを使って探していた。「強」とはウォンであった。ちょうど近所に買い物に出たウォンは、追いかけられている男が手下どもに捕まり「左腕」を切断される現場を見た。その腕は、夜空に向かって投げられた。そして同時にそこに居合わせたウォンこそターゲットだと知った手下達は、ウォンを追いかけた。逃げおおせる相手ではなかった。ウォンは捕まり「右腕」を切断された。そしてその腕は同じく夜空にアーチを描いた。

屋ね左手  夜中に屋根がドサッと音がしたら誰もが気が付く。サイが見上げると「左腕」が見えた。腕には黄志強(ウォン・ジーキョン)と刺青されていたのでウォンの腕だとサイは直感した。ていねいにサランラップで巻いて、豚肉を入れておく冷凍庫にしまった。翌朝ウォンの腕の接合手術が始まる。麻酔をして後、医者は気が付いた。ウォンの「右手」に接合しようとする、その拾った腕は「左手」であった。ええい!無いよりまし!ってことでくっ付けちゃう。

  東東/紅紅からサイに絵葉書が届いた。お世話になりました。私はアメリカのハリウッドにいますと。
  チュウ一家は、何事も無かったように今日も3人トラックに乗っていた。信号で停車してふと見た隣の車のドライバー。煙草を持った、その手が変。左手なのに右手が付いている。よく見ると、腕のつなぎ目で刺青の絵が違っている・・・。




女2監督・脚本:フルーツ・チャン|フランス、香港、日本|2001年|108分|
撮影:オー・シンプイ|原題:香港有個荷里活|英題:Hollywood Hong-Kong
出演:トントン・ホンホン・フォンフォン(ジョウ・シュン : ハリウッド地区に住む少女)|
チュウ・チャイケイ(グレン・チン : ダイホム村で焼豚屋を営む)|
ミン (ホウ・サイマ : チュウの長男)
サイ(レオン・ツィーピン : チュウの次男)
ウォン・チーケン (ウォン・ユーナン : 近所の兄ちゃん。ネットで出会い系サイト運営)

洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

映画「くちづけ」    監督:増村保造  主演:野添ひとみ

バイク

  テンポが古くない。
  前傾姿勢で突っ走る台本、細かい事にこだわらない姿勢。普通はあって当然のシーンを、ためらわずにザックリ切っている。ワイルドで素敵! そしてコミカルさが要所要所に入る。

ふたり  何より、野添ひとみがいい。
  体当たりで演技して映画を牽引しているが、さわやかさが前に立つのが魅力。
  このさわやかさと、川口浩のつたない演技が妙に合う。
  そして野添の、青春の女/大人の女をそれぞれに引き出すシーンがあなたを待っている。

  突拍子もないことを言うが、この映画、同じ年に製作されたイタリア映画、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の「さすらい」と、話の運びに底通するものを感じる。   



バス 小菅拘置所
  偶然、それぞれの父親が拘置されていた。面会に来たのが知り合うきっかけ。
  白川(野添ひとみ)の父は役所の職員で職場の金10万円を横領した。妻が結核で長期入院、その医療費が工面できなかった。母はこの事を知らない。自宅も無くなり白川は安アパートに一人住まい。稼ぎは絵のモデル。月6000円の月給。父の釈放、病院への支払いにまるで届かない。
  宮本(川口浩)の父は選挙運動違反で3回目。選挙に人生を投じた父を嫌い離婚した母はジュエリー斡旋販売で小金持ち、麻布あたり?の高級マンションのマダムになっている。宮本本人は東亜大学商学部の学生。アルバイトでミヤコベーカリーの配達ドライバー。三輪トラックだ。月給8500円。
  拘置所がある東京都葛飾区小菅、当時は土ぼこりが舞う殺風景な田舎だった事が映画でわかる。

 後楽園競輪場
  拘置所からバスに乗って宮本と白川が下りた場所がここ。
  試した車券が大当たり、十分なデートの資金ができる。
  東京メトロ丸ノ内線の後楽園駅駅前、つまり東京ドームや遊園地の一角にあった。

渚キ 江の島
  都内からバイクで江の島へ走るふたり。
  野添の水着スタイルが抜群、確か自分の3サイズを言うセリフがあった。
  都内の広い道路に車が見えない。国道一号線は田舎道。

 白川の住所 : 目黒区上目黒2-96紅梅荘内 
  分かりにくい細い道の先にあるらしい。

 宮本の住所 : 大田区雪ヶ谷町75
  一軒家。玄関をガラガラっと開けると、家政婦さんがお帰りと言って出迎える。

 増村保造の監督デビュー作らしい。また川口家の映画らしいが私には関心ない。
 とにかく、「くちづけ」や「バイク」というキーワードに力と輝きがあった時代を切り取っている映画です。


ポスター監督:増村保造|1957年|東宝|
原作:川口松太郎|脚色:舟橋和郎|撮影:小原譲治|
出演:野添ひとみ (白川章子)|川口浩 (宮本欽一)
小沢栄太郎 (父・宮本大吉)|三益愛子 (母・宇野良子)|
村瀬幸子 (母・白川清子)|河原侃二 (章子の父)
若松健 (白川に言い寄る画家の息子・大沢和彦)|吉井莞象 (白川がモデルになっている著名画家・大沢繁太郎)|入江洋佑 (バイク屋の若旦那・島村)|見明凡太朗 (横河弁護士)|南方伸夫 (別所弁護士)|村田扶実子 (売店のおばさん)|小杉光史 (代書人)|ジョー・オハラ (モデルクラブ店主)|若松和子 (房子)|橋本敏子 (愛子)|須藤恒子 (ばあや)|高村英一 (夫)|清水谷薫 (妻)|西川紀久子 (パートナーの女)|米沢富士雄 (看守)|黒須光彦 (学生A)|伊藤直保 (学生B)|島田重雄 (学生C)|鍵山寿子 (女給A)|松平直子 (女給B)|山口健 (父親)|竹里光子 (看護婦)

洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

4:30 (フォーサーティ)    監督:ロイストン・タン

トップ



  映画が始まってまず感じるのは映像の美しさだ。
  ブルーからグリーンの色彩に透明感がある。光の扱いが巧みだ。

  ストーリーはストーリーと言えないほどに飾りっ気もない簡素な展開。
  登場人物はほぼ2人だけ。そしてセリフがほとんどない。観客に何も説明しない静かな映画。
  観る者は登場人物を観察し、心の中をのぞきに行くことになります。
  しかし重みはなく時に笑いを誘うシーンもあります。
  サウンドはリバーブ効かせたエレキギターを、音量ごく控えめに、前の音のリバーブの余韻を楽しみながら音数少なく手遊び的に思い出したようにつぶやく。

  少年シアオウーは11歳。
  父はいない。母はこの子をこのシンガポールに置いて北京に行っている。それなりに案じていて時折北京から電話してくる。「ご飯食べた?学校はどう?」
  そこそこお金はある様子。住んでるマンションはきれいだし家電家具もちゃんとしている。ただ、母不在でこの子にできる食事は即席麺と生絞りオレンジジュース。
  北京に行ってからどれだけ時間が経っているんだろうか、わからないが、少年シアオウーの心に変調をきたし始めている感じ。
日記
  小学校の授業シーンが何度も出てくる。もともと地頭は良さそうだ。ませている。だから学校では確信犯的に先生に反抗する態度。よく廊下に立たされている。例えば、夢をテーマにした絵の宿題で、彼は画用紙一面を黒で粗く塗りつぶす。先生は「それは何?」 シアオウー「夢はありません」
  日記を書いている。いや日記というより鉛筆書きのゆるい絵とメモ程度の覚書。そして何やら貼り付けている。彼の日記帳は一冊の単行本、ところどころのページにある余白に書き込んで大事にしている。

窓  ところでシアオウーの家には同居人がいる。韓国人の男性ジョン。美男子系31歳。ほぼハングルしかしゃべれない。シアオウーとの間に会話はない。ジョンが拒絶している。何者か分からないが母の愛人らしい。北京からの電話で母はシアオウーに「韓国のおじさん」と言っている。
  ジョンも変調の兆し。部屋で首つり自殺を敢行するが、コメディ的に失敗する。シアオウーに目撃される。いつも深夜帰宅、昼間は死んだように寝ている。それとヤケ酒。母との?写真を破り捨てる。シアオウーより幼い。

バス  一方、シアオウー11歳は洗面所でシェービングフォームをつけたり、鏡の前でジョンのパンツをはいてみたり、大人の真似事の時期。最近、ジョンに影響されてか、自虐的な真似、自殺な真似事をするようになってきた。シアオウーも押し詰まっている。
  父親がいないシアオウーにとって身近な男性はジョンだ。本当はジョンに父親的存在、兄さん的存在になって欲しいが彼は全くの無関心だ。
  かまって欲しい。眠りこけているジョンにこっそり悪戯をしかける。そのうち堂々と悪戯する。が反応がない。しかし、やっと扉がわずかに開き始めた。それは同時にジョンがここを出ていく決心のあらわれでもあった。

バス2

  すごく自然な演出のなかでシアオウー役のリユアンはなかなかの名子役。11歳の少年の世界観みせてくれる。しかしジョンについては脚本上で「木偶の坊」になっているらしく? ジョンの心理が読み取れない。だからジョン役はへたな役者にみえる? もうひと押し欲しいな。
  ロイストン・タン監督は他にない独特な世界を持っている。他の作品を観てみたい。



階段222  監督:ロイストン・タン|シンガポール・日本|2005年|93分|
  出演:シアオウー(シャオ・リユアン)|ジョン(キム・ヨンジュン)
                           窓辺

洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

シテール島への船出   監督:テオ・アンゲロプロス

トップ














  同監督の「旅芸人の記録」を観てから、この映画を観ないと、よくわからないと思う。
  老人スピロは、たぶん元パルチザン (ゲリラ)で第二次世界大戦時、ギリシャの故郷の村で活動家だったんだろう。政治の勢力図が塗り変わり、パルチザン勢力は劣勢になり山奥へ逃げ、妻子を残してついにロシアへ亡命した。スピロは彼の地で家庭を持ったが、32年経って望郷の念でギリシャに帰国した。その間、妻のカテリーナはひたすら彼の帰りを待っていた。映画はここから始まる。

村の我が家  カテリーナ、息子や娘、そして親戚たちは、スピロの突然の帰国を「一応」歓迎する。しかしそんな歓迎は彼にはどうでもよくて、実は故郷の村にいち早く行きたかった。彼の一徹さは変わらないようだ。スピロとカテリーナは、32年間彼女が守ってきた家に帰ってきた。彼は安堵した。そして一気に老けた。
  村の様子は一変していた。村がスキー場になる計画だ。村民が全員一致して自分たちの土地をリゾート開発企業に売ろうとしていた。1人でも反対があれば計画は成り立たない。村長は周到に準備を進めてきた矢先に、スピロが現れた。彼は反対した。戦争当時もスピロは村の厄介者だった。ギリシャの国籍を無て久しいスピロは滞在許可で帰国している。騒ぎはスピロに分が悪い。

退去  ついに彼に国外退去が命ぜられ、出港するロシア船に乗るよう、急ぎタグボートに乗せられるがスピロはロシアに帰る気は毛頭ない。ロシア船、スピロ互いに乗船拒否。困った当局は、港の沖合いに係留した小さなフロートに彼をひとり乗せた。夜がふける。
ふたり  翌朝カテリーナはスピロを守るべく港に浮かぶフロートに向かった。今となってはカテリーナも精神的な居場所はなくなっていた。乗り移った彼女を抱きしめるスピロ。そして彼はフロートの係留ロープのもやいを解いた。


  舞台演劇的な手法を交えるシーンが冴えている。臭みは全くない。そして映画音楽(ストリングス)が流れるタイミングは絶妙だ。なんでもないシーンが一挙に深みをおびる。
  この作曲家エレニ・カラインドルーが好きだ。本作ではまだ開花の途上だが、以後監督と共同製作のように映画と音楽が寄り添っていく。 

踊る  原題:TAXIDI STA KITHIRA 英題:VOYAGE TO CYTHEREA
  監督:テオ・アンゲロプロス|ギリシャ・イタリア|1984年|140分|
  脚本:テオ・アンゲロプロス、タナシス・ヴァルティノス、トニーノ・グエッラ|
  撮影:ヨルゴス・アルヴァニティス|音楽:エレニ・カラインドルー
  出演:マノス・カトラキス(スピロ)|ドーラ・ヴァラナキ(カテリーナ)|ジュリオ・ブロージ(息子)|マリー・クロノプルー(娘)|ヨルゴス・ネゾス(スピロの同郷の友人)|ほか



洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

映画「にごりえ」  監督:今井正  主演:淡島千景、丹阿弥谷津子、久我美子

夜道   
  本作は、明治の小説家・樋口一葉の短編小説「十三夜」「大つごもり」「にごりえ」のそれぞれを元にした同名の映画、3作で構成されている。
  さらりとしているが、奥が深い映画。
  出色は、なんといっても「にごりえ」の淡島千景だ。



にごりえ
街  お力(淡島千景)は、本郷丸山下の新開地にある店「菊之井」の酌婦。あいまい宿だ。
  界隈で有名な お力(りき)は、美貌で機転がきいて看板娘だ。だが本人は、この街に我が身が沈んでいくことを諦めつつも、もがいている。そんな彼女の前に結城(山村聡)という客が現れた。羽振りが良く紳士。結城は、この店に足しげく通い、お力も思いを寄せるようになった。しかし、所詮お客でしかない。
  ある夜、団体客のどんちゃん騒ぎの席を抜け出したお力。何もかもが嫌になる。夜店の金魚すくいの灯りの下に佇んでいると、若い二人が楽しそうにしている様子、それをじーっと見ているお力。ぼんやりしてる、そこに結城が通りかかる。「お力じゃないか」、二人肩を並べて店に戻る。
  以前から彼女にまとわりつく男がいる。源七という。貧しい長屋に妻子がいる。その昔、お力と源七はいい関係だったが、彼女の方から振った、が実は、まだお力の心のどこかに未練が残っている。そして・・・。


二人で2  監督:今井正|1953年|62分|原作:樋口一葉・・・小説の原文はこちら
  脚色:水木洋子、井手俊郎|撮影:中尾駿一郎
  出演:淡島千景 (お力)|山村聡 (結城朝之助)|宮口精二 (源七)|
    |杉村春子 (源七の妻・お初)|賀原夏子|南美江 (お八重)|北條真記子 (お高)|文野朋子|十朱久雄 (藤兵衛)|ほか

  ※「菊之井」がある本郷丸山下の新開地は、JR水道橋駅を降りて、東京ドームの裏手の方角にあった。





十三夜
不忍池  上野の新坂下にある齊藤家の娘・せきは、貧しいながら丁寧に育てられた。奉公先は駿河台にある原田家のお屋敷。当時の女性としては第一級の勤め先だ。住込みで武家の家事のお作法を教わり奉公が終われば、嫁入り前にハクがつく。
  主の息子・原田勇も若かった。せきを好きになり、結婚する。シンデレラ。原田勇は明治政府の高級国家公務員。働き、遊び、世間が見えてきた。外に女をつくり、せきに辛く当たる。耐えて耐えて耐えられぬ毎日が続いた。その日、夜がふけてから、人目を忍んで 人力車で実家に帰ってきた。驚きを隠して両親は娘を温かく向かい入れる。その夜は十三夜。  「さあ、月の光が指しこんでいる こっちにお座り」
  このまま帰らず離婚するのも手。ただお屋敷に残した子供はどうする? 子のことを思えば、辛いだろうが戻るのがいいんじゃないか。
御茶ノ水  その日のうちに、せきは人力車に乗った。ちょうど不忍池のほとりにさしかかった時、その車夫が幼なじみであることがわかる。昔、互いに好いた仲。身分の格差のためか、距離を置きながらも、互いに昔を懐かしみ、一時の安堵を得る。上野広小路が見えてきた。ふたりは、それぞれに我が来た道に戻り、別れていった。

  監督:今井正|1953年|29分|原作:樋口一葉・・・原文はこちら
  脚色:水木洋子、井手俊郎|撮影:中尾駿一郎
  出演:丹阿弥谷津子 (原田せき)|田村秋子 (母・齊藤もよ)|三津田健 (父・齊藤主計)|芥川比呂志 (車夫・高坂録之助)|ほか

  ※せきが、駿河台のお屋敷を抜けて、人力車で実家がある上野方面に向かう途中、御茶ノ水の橋を渡るシーン。写真の奥にニコライ堂が見える。橋の向こう岸、左に今のJR御茶ノ水駅がある。


大つごもり
みね  みね(久我美子)は、病に伏せる叔父と叔母から2円の都合がつかないか懇願された。奉公先で、みねは他の女中と一緒に年末の支度に追われていた。昼間、奉公先の主に借金を返しに来た人がいて、その20円を奥の部屋にある小引出しに入れるように、みねは仰せつかった。
  当主の先妻の息子と後妻のおかみさんは、いがみ合っていた。日ごろ寄り付かない その息子が帰ってきた。部屋でしばらく休んで、また出て行った。
  夜になって、おかみさんは「昼に帰ってきた借金を」と、みねに言う。ドキドキしながら、みねは紙で包まれた借金を、おかみさんに渡し部屋を出る。その途端、おかみさんの叫び声、震えるみね。
  みねは、その20円から2円を盗んでいた。そして、その後に当主のドラ息子は18円を盗んで、金を包んでいた紙に「ありがたく拝借します」と書き残していた。

女将と  監督:今井正|1953年|36分|原作:樋口一葉・・・原文はこちら

  脚色:水木洋子、井手俊郎|撮影:中尾駿一郎
  出演:久我美子 (みね)|中村伸郎 (安兵衛)|龍岡晋 (山村嘉兵衛)|長岡輝子 (山村あや)|荒木道子 (しん)|ほか








洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

芝居道    監督:成瀬巳喜男

トップ

  20世紀になるか、ならないかの1900年ごろ、日清戦争日露戦争の頃の、大阪・道頓堀にあった劇場の角座と中座の芝居興行の話。
  この映画の見どころは、山田五十鈴(お光)の若さと音曲の技。
  お光は新蔵に見捨てられたと思い込んでいた。その新蔵が大阪に凱旋した初舞台。自分の芝居の出来をお光に問うた時に、お光が感動して言う 「わてに、そんなこと、聞いてくれはりまんの・・・」 のシーンが上の写真。
  もう一つの見どころは、110年前当時の芝居小屋の様子が垣間見えて貴重だ。

新蔵  しっかりとした映像に仕上がっているが、話の筋は平凡でこれ以上書くことはない。敗戦の1年前の年の映画だからか。あと付け加えるなら新蔵役の長谷川一夫がナヨナヨしていて、思わずシャキッとしろよ!と言いたくなる。

  本作よりずっといい映画、そのうち取り上げます。日本芸能好きなので。
   1938年 成瀬巳喜男監督 「鶴八鶴次郎」 山田五十鈴・長谷川一夫
   1943年 成瀬巳喜男監督 「歌行燈」   山田五十鈴・花柳章太郎 
  そう、残菊物語(1939)溝口健二もいい。
  原作の長谷川幸延という人、19歳(大正12年)の時に書いた初の戯曲が、映画に出てくる大阪・中座で新派によって上演されて、劇作家デビューしたらしい。映画では中座の興行師は保守的であった。
  長谷川幸延の原作には「人生とんぼ返り」 監督マキノ雅弘、日活、1955年もある。これも取り上げたいかな。

  大阪・道頓堀には他に3つの劇場があり、合計五座あった。
  道頓堀五座の復元 (CG静止画)が公開されている。(関西大学・大阪都市遺産研究センター)
  http://www.kansai-u.ac.jp/Museum/osaka-toshi/visual.html

花道サブ監督:成瀬巳喜男|1944年|83分|
原作:長谷川幸延|脚本:八住利雄|撮影:小倉金弥
出演:山田五十鈴 (娘浄瑠璃の竹本花龍・お光)|長谷川一夫 (中村新蔵)|
古川緑波 (角座の興行師・大和屋栄吉)|花井蘭子 (お絹・栄吉の娘)|
進藤英太郎 (嵐扇十郎)|阪東橘之助 (市川菊三郎)|清川荘司 (片岡当助)|志村喬 (信濃屋善五郎)|大倉文雄 (五助)|鬼頭善一郎 (角座の小屋主)|鳥羽陽之助 (近江屋利兵衛)|花岡菊子 (豊沢春昇)|伊藤智子 (おかね)|伊井友三郎 (守田善弥)

洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

「アナザー・デイ・イン・パラダイス」  監督:ラリー・クラーク

top ふたり2 top ふたり

  街の悪がきがドラッグでたむろっている。そのドラッグ買う金欲しさに、その中のひとりボビー16歳がビルに忍び込み、自販機を片っ端からこじ開け、袋に硬貨を流し込む。そこを警備員に捕まりボコボコ殴られた。ほうほうのていで帰って傷の手当て。病院に行けば捕まるんで、自称医者のメルが来た。メルの本業は泥棒。これがボビーとメルの出会い。悪ぶっているが何にも染まってないボビー、その素材の良さに目を付けたメルは自分の手下にボビーをスカウトする。銃の扱いなどイロハから教わる。

  ボビーにはロジーがいて、メルにはシドがいる。ドラッグの売買などいくつか仕事を一緒にこなした。大きな額の現金を稼いだ。今までじゃ考えられない、派手な買い物もした。
  ボビーがメルに父親のような頼りがいを感じ始めるに合わせて、ロジーはシドに母親を感じ、シドはみんなを家族に思うようになってきた。そんな時にロジーが薬物でショック死する。泣き叫ぶボビーだが何もできない。

メル&シド  大きく稼げるといううまい話に乗ったが、逆にはめられた。ボビー、メルは、その筋の何人かに発砲し殺す。何とか現金を手に入れ、しかし逃亡せざるをえない結果。追っ手は必ず来る。逃げる車中で、メルはうまくいかなかったことに憤慨しロビーのせいにする。追っ手が今は来ないことに少し安堵したメルは、ボビーの口ふさぎを考えシドにささやく。「シャベル買ってこい」
  ガソリンスタンドに立ち寄った。シドはボビーに金を渡し、逃がしてやる。ガソリンスタンドの裏手に広がる畑をボビーはひたすら走った。

ボビー  う〜ん、脚本がつたないな。特に薬の売買や殺人シーンなどは、この映画にとって重要なシーンだと思うんだが、なんだありゃ!  
  でも、この映画なぜか印象に残る。それはボビーとロジーのういういしさ。どこか涼風が吹く。そこがいい。
  
  この映画を思い出したきっかけは、イギリス映画「ボクと空と麦畑」1999年 で少年が麦畑を走る、こんなシーン、どっかで観たな・・・でした。 

  
サブ 4人  監督:ラリー・クラーク|アメリカ|1998年|106分|原題:Another Day in Paradise
  原作:エディ・リトル|脚本:クリストファー・ランドン、スティーヴン・チン|撮影:エリック・エドワーズ
  出演:ヴィンセント・カーシーザー (Bobbie)|ナターシャ・グレッグソン・ワグナー (Rosie)|ジェームズ・ウッズ (Mel)|メラニー・グリフィス (Sid)
ジェームズ・オーティス (Reverend)|ポール・ヒップ (Richard Johnson)|ブレント・ブリスコウ (Clem)|ピーター・サースガード (Ty)|キム・フラワーズ (Bonnie Johnson)|ブランドン・ウィリアムズ (Danny)

                                     シド2
                                         シド
洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

昼間から呑む   監督 :ノ・ヨンソク

呑む
呑む頂く40   ひとり    

  「昼間から呑む」 という題名でグッと来る人は観てほしい。 そうじゃない人は、たぶん 「ばっかじゃないの」 の一言で終わってしまう映画。酒に酔うと脳が麻痺して自分の悲惨さに鈍感になれる、嬉し悲しく哀れ。

  世の中には 「人がいい人」 がいて、人の話を聞いてくれる。そんな人に対して、上から目線的な人が、我を通そうとするとスンナリ通る。損な役回りだが、誰にも嫌われない「人がいい人」。
  そんな代表選手と言えるヒョクチンが彼女に振られて、慰め呑み会が始まった。
 
  ソウルの夜、安酒場で、いつもの連中で呑んでいる。
  先輩がやってるペンションの話が出る。いいね。みんなで行こうか。うん。いつ行こうか。酒の勢い、明日行こう! 朝の何時に集合しよう!、とトントン拍子に事が決まっていった。ヒョクチンはお薦めのワインがあるから持っていくと。

キャプチャターミナル1  そして翌早朝、ヒョクチンは時間どおりにバスターミナルに来たが、ほかの誰も来ない。電話するとみんなまだ寝ている。そんな話は誰も忘れていた。そもそも今日は平日だ。みな仕事が待っている。
  言いだしっぺの友は、言われて思い出し、少々の自責の念から先輩のペンションに話を通して置くから、そして追っかけ明日行くから、先に行ってくれ、となる。
  未来への、この適当さは、変わらない感じ。それを「また」真に受けたヒョクチンの人の好さ。

キャプチャ女1-2-1  で、ヒョクチンの一人旅はここから始まる。
  ひとり泊まった宿の客に、ヒョクチンが気になる女がいた。彼女もひとり旅のようだ。
  ヒョクチンは持参のワインを持って、彼女の部屋のドアをノックする。
  しかし出てきたのは男で、ワインをつい渡してしまった。
バス停  次の日、バスを待っていたヒョクチンの前に、同宿のその女が現れて、一緒にウィスキーが呑みたいと誘う。ここで? ヒョクチンは急いで酒を買いに行き、ふたりはバス停で呑み始めた。  そこへ彼の車が来て、ハイさようなら。

キャプチャ女3-1-1  
  その後、友に電話したが、仕事の都合でまだソウルを離れられない。友が言う。海へ行って浜辺でカップめん片手に酒を呑むと楽しいと言われた。ヒョクチン、特にすることもないので、友が迎えにくる間、海に行くことにした。駅に着いて切符を買い、駅舎で電車を待つ。
バス40  そこへ一人の女性が来た。この女、自分も海に行く、いい男だね、一緒にバスで行こう。女の言う事を断りきれず、半ば強いられて一緒にバスに乗る。
  並んで座席に座った彼女はいろいろ言ってくる。つい「疲れているから一人にしてくれ」と言う。こんな言動はヒョクチンには珍しい。これが後になって・・・。
  とにかくバスが海に着いて別れた。

三人が呑む  この浜でカップめん&焼酎をやっていると、同宿だった、あの男女に再会する。いやいや、ということで飲み屋で、カラオケで3人は呑むに呑んだ。
  翌朝ヒョクチン、身を貫く寒気に気が付くと、雪道に横たわっていた。下半身はパンツだけ。カバンもない。そんなカッコウだから、車は通るが、みな止まってくれない。
気が付けば雪道端    教訓-1:優しくしてくれる人には気をつけろ。
  そこへ、バスで一緒だった女性の車が通りかかる。が、一瞥して通り過ぎた。
    教訓-2:やっぱり人には優しくしておくべきだ。

  その後、いろいろあって人に呑ませてもらったが、またパンツ姿にされそうになる。
  この旅の言いだしっぺの友が、やっとソウルを出て車を走らせヒョクチンを拾いにやって来た。疲れ切った様子のヒョクチンは「ソウルに帰りたい・・・」と言うが、友は「何言ってんだ」という事で、先輩のペンションに向かった。ナントそこでバスで一緒だった、あの女と、またまたの再会。
  
女2-1  ここでも大いに呑みに呑んだ。翌日、また友の車に同乗してソウルへの帰り道、何を思うのか、ヒョクチンは電車でソウルに帰るから、あの駅で降ろしてくれと頼んだ。
  また駅舎で待っていると、こんな女性が現れた。
  女は言う。「ひとり旅ですか? 私もひとり旅です。行く先が一緒だったら、いいわね、海に行くの・・・」
  男ヒョクチン、据え膳、食わぬは男の恥だが、教訓-1と教訓-2が頭の中でこんがらがっている。さてさて彼の運命は・・・。 


監督・脚本・撮影などその他全部:ノ・ヨンソク|韓国|2008年|116分|英題:DAYTIME DRINKING|
出演:ソン・サムドン (Hyuk-jin)|キム・ガンヒ (Girl next door)|イ・ラニ (Lan-hee)|シン・ウンソブ (Truck Driver)|

洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」 監督:吉田大八

トップ






  両親が交通事故で亡くなり、残された家族は、長女独身・澄伽、次女・清深、そして後妻の子(長男)宍道とその妻・待子の4人。

長女  澄伽は東京にいて葬式のために久々の帰省。「あたしは女優になる才能がある」と思い込み、当時父親とスッタモンダの末に家出した。
  はいれた事務所は、や印そのまんま。昼ドラの端役にちょい出るか出ないか。しかし、今でも「あたしの女優の才能は凄い」と超・自己中。あるオーディション会場で、落としたわけを問いただすが審査員たちの開いた口はさらに開く。


妹
  後妻の子・宍道は、4年前に待子と結婚し、この家のあるじ。高校生の次女・清深と3人暮らし。
  清深はホラー漫画を描く。姉が家出する時のゴタゴタをネタにして作品は新人賞を獲得した。両親の事故を目の前で見たことも作品にしたが、さすがに引き出しに閉まっている。
  姉・澄伽は昔から清深を虐めている。家庭内暴力だ。虐められると、それが、清深の作品ネタになる。清深は姉に言う 「姉ちゃんは、自分の面白さを知らない」


待子  妻・待子は品川のコインロッカーで生まれ、施設で育った。農村の嫁不足、集団見合いで宍道の妻になって4年経つが一度も一緒に寝ていない。そこが辛い待子。
  宍道と澄伽は以前から出来ていた。それを今回のぞき見して知った清深は有頂天。
  話もどって、妻・待子は夫・宍道にいつも怒鳴られている。澄伽も他人を人と思わない性格。よって二人から下女あつかいだ。でも耐える待子。「家族ですもの!!」 待子は、生まれて初めてのファミリー体験中なのである。有頂天。


  時は経ち、清深はホラー漫画家として認められ東京へ行く。姉の澄伽はどうしようもない。父親に認められずにかつて家を出て、業界に認められず帰省し、今は金もない。

  うーん、宍道と澄伽の演技が固い。だから つまらない。
  そのなかで ひとり抜きん出ているのが、妻・待子役の永作博美。 実にいい演技だ! これが言いたくて、この映画をピックアップした。

夫婦監督・脚本:吉田大八|2007年|112分|
原作:本谷有希子|撮影:阿藤正一、尾澤篤史
出演:佐藤江梨子 (和合澄伽)|佐津川愛美 (和合清深)|永作博美 (和合待子)|永瀬正敏 (和合宍道)|土佐信道 (小森哲生)|山本浩司 (萩原)|上田耕一 (和合曾太郎)|谷川昭一朗 (神野)|吉本菜穂子 (審査員(女))|湯澤幸一郎 (審査員(男))|ノゾエ征爾 (オーディションの相手役)|米村亮太朗 (田嶋)|大原真理子|高橋睦美|金沢まこと|大川婦久美

漫画846ls   家で

洋画の映画評だけ見る  ここから記事を読む 
   題名で探す   こちらから
   国名で探す   こちらから
邦画の映画評だけ見る  ここから記事を読む
   題名で探す   こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

Index of all entries

Home

タグクラウド
プロフィール

やまなか

Author:やまなか
地震や原発事故で被災された方々に、お見舞い申し上げます。
不安な日々をお過ごしのこととと存じます。はやく復旧が進みますようにと、心よりお祈りいたします。

RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
最新コメント
最新トラックバック

Return to page top